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カムイミンタラ(トムラウシ山2日目)・その3

8/21火
  

  
深夜未明、まだ日付は変わってなかったかもしれない。
  
寝静まった避難小屋、人工的な灯りは一切無く部屋の中は真っ暗。小屋泊特有の深くない眠りの中シュラフに包まって寝ていたのですが、
建物の出入口方向で突然女性の大きな金切り声に気付いて目が覚めた。
 
その声は気持ち悪い程明瞭に何かを話しているのだが、 内容は全く意味不明でよく聞き取れない。早口で怒鳴っているように聞こえる。
 
その場にいた全員が異変に気付いていたのだろう。皆がじっと音を立てずにしばらく息を殺してやり過ごしていたら、ピタリと居なくなった。
 
身の危険を感じるようなものでは無かったけど、あまりに不気味過ぎて目がギラギラして全く眠れなくなってしまい、そのまま朝を迎えてしまった。
でももしかしてそれ自体も夢だったのか?
 
山岳会グループは前日の公言通り4時に活動準備を開始してますが、眠気の方を優先してしばらく目を閉じてじっと体力温存。
 
夜以外は温かい食に対して拘りは無かったので、朝ごはんは行動食でも良いかなっと思ってたけど、その場の皆様の優雅な朝食ムードに合わせて尾西のわかめご飯パックとカップスープにお湯を注ぐ。
 
山岳会グループの鉄の掟なのか5時ぴったりになると沢屋装備を固め颯爽と出発。私の登って来た天人峡への登山ルートで降りるようだ。
 
本日トムラウシ温泉への進行ルートを同じくする女子2人組に、昨晩の奇声の事をたずねてみると、答えは即答でYES。
別に夢でも良かったんだけどなぁ、、
 
山岳会女性のどちらかの寝言じゃないかという点では意見が一致なんだけど、
ルートが長くてただ疲れてたのでは?とはあまり思えず、耳に残る金切り声は昨夜山岳会女性と会話してた際の話し方や声色も全くの別人であり、例えて言うならテレビで見かける霊媒師から現れた人のよう。
 
トムラウシは過去凍死事案が多発していて、低体温症が進むと意味不明の言葉や奇声を発するようになる事を、出発前にトムラウシ遭難事故調査報告書で興味深く読んでいたのが頭をよぎった訳ですが、
 
この時亡くなった被害者女性の方も事故前日にこの小屋に泊まっていたのがダブって見えてしまい、何かが乗り移ってるような気がしてなりませんでした。(特に霊感はないです(^-^;)
妄想話と言われたら、まあそうなんですが(笑)
 
 
 
0615ヒサゴ沼避難小屋を出発。
 
前評判では劣悪なトイレと聞いていたのですが、近々に槽処理したばかりだったのか、思ってたより全然綺麗でした。扉は歪んでて全開しなかったですけどね。
 
鏡面のようなヒサゴ沼
 
 
 
ヒサゴ沼から稜線に戻るルートはカチコチに固まった雪渓を覚悟していたのですが、融雪が進み?雪渓横が岩場だったので思ってたより楽に通過する事が出来ました。
 

  
確かにこれをまともに登るのなら軽アイゼンくらい欲しいね。
歩いてみると土面に近い側から雪が解けている箇所もあり、ズボッと抜ける箇所があったので落下の注意も必要です。
 

   
稜線に出ると、この山域の雄大さを実感します。なだらかな山容なのにゴツゴツした岩が点在しているので、とても不思議な雰囲気です。
 

 
日本庭園と言われる場所ですが、誰かが作ったかのような自然に出来たとは決して思えない見事な見事な庭園です。花の季節はさぞ素晴らしいことでしょう。
昔の人も同じ景色を眺めて、これをカムイミンタラと言ったんだなと納得しました。
 

 
木道のある天沼を過ぎると大きな岩場地帯が始まりロックガーデンへと繋がっていきます。
 

 
振り返ると人より大きい岩がゴロゴロと転がる独特な雰囲気の光景に圧倒されます。視界が良かったので大丈夫でしたが、印は少なくケルンも踏跡もないのでガスってるとあらぬ方へ行きそうで注意が必要です。
 

 
ロックガーデンを過ぎるとしばらく緩い台地が続き、その先にいよいよトムラウシ山頂が見えてきます。
 

  
左のトムラウシ山と北沼。遭難時とどまるのに適切ではない吹きっさらしの分岐ポイント。力尽きたんだとはいえ、何故彼らはこんな所でビバークを決意したのか。
 

  
分岐ポイントを山頂方面へ進み、ロックガーデンより大きい岩を乗り越えてピークを目指します。
 

  
ナキウサギの「ピィー!」って鳴き声が山の至る所で響き渡ります。ウサギって名前はつくのですが、すばしっこいモルモットみたいな愛らしい容姿でついつい探してしまいます。
   

   
1030トムラウシ山頂。大分ゆっくり目の到着でしたが、常に全方位景色が良いのでいつの間にか時間経っちゃいます。
  

     

   
天候こそ終始青空が出ずじまいでしたが、幸い視界は良好で小化雲岳~トムラウシ間の山域の縦走は本当に全てが素晴らしく、表現が難しいのですが達成感と幸福感に満たされながら歩けました。
  
先が長いのでここからは巻いていきます。
 
トムラウシ公園からの登り返しの所から振り返って見上げた南側からのトムラウシ。
見る方向で随分違う印象を受けるお山です。
  

    
この辺りからみる風景も結構ゴツいな。 
 

 
前トム平からガレ場の下りが延々と続くため、思ったよりペースが上がっていきません。
  

  
森林帯に入ってまもなく、コマドリ沢に沿って下っていると、強烈な野獣臭がし始めたので、これは嫌な感じだなと思っていたら、すかさず近くで野太い唸り声がしたので横を振り向く!!
 

「woowhooowwooo・・  」(ウーウォウゥゥ~)


 

まじかよ、クマじゃん(T-T)


 
鮮明な声の感じかなり至近距離で10m位って感じです。
  
ただ、位置関係で言うと土が盛り上がった土手みたいな地形で、お互いが谷あいの部分に居るようで、その土手部分でちょうど陰になってて幸い姿は見えてない。
 
彼方様もこちらの存在には気付いて居るようなので、5秒くらい立ちすくみましたが、山頂で会った日帰りの人も先行しているので、きっと大丈夫なはず、と自分に言い聞かせる(´д`)
 
熊除け鈴を手持ちして距離感を教えてあげながら同じペースを保ちゆっくり通過!!( ;∀;)
 
背中に涼しいモノを感じながら、しばらく歩きましたが、特に大丈夫でした。
  

 
1320コマドリ沢分岐。
気分的にはここでトムラウシは終了なのですが、ここからが長いのです。
 

 
この先は視界も開けないこんな道がゴールまて続きます。
   

  
途中登り返しがあって
 

  
こんな感じの泥で足の取られる道が1時間半続きます。道が乾いていれば飛ばせそうですが、この日は水ハケが悪くて気が抜けない。
 

 
残り6kmほどあるのにハイドレーションの水を切らしてしまいました。朝ご飯に贅沢に水を使って途中補給しなかった罰ですな(´ω`)
  
1535短縮登山口の分岐。この地点でトムラウシ温泉まで残り3.9km。短縮に行っても残り1.1km。異様に長いぞ登山道!
 

 
ただ、トムラウシ温泉への道は登山者の多い短縮コースを外れるので、少々のアップダウンはありますが、この分岐の先は歩き易かったです。
 

  
1650トムラウシ山登山口に到着。
体内水分を保つため汗をあまりかかないようセーフモードでつめてきましたが、最後はパフォーマンス落ちてきて雨も降ったりでもうグダグダです。
 

 
途中家族より連絡があり、到着まで相当時間が掛かるようなので、翌日合流する事に。
 

 
ここでいよいよ初テントか!とも思ったのですが、荒天の予報だったので東大雪山荘に泊まる事にしました。
 
あー干涸びた身体に生ビールが染み渡る!
 

   
山荘の掛け流し温泉♨️で癒されました。翌日に筋肉疲労が少なかったのは温泉のお陰だったかも。
 
女子二人組は19時台の到着、一番最後にすれ違った短縮コースからの日帰り老夫婦は完全に真っ暗な21時頃に戻ってきたみたい。半分遭難に近い、、常時泥沼の短縮コースの夜歩きは危険です。
  
早出(4時頃)かつ健脚が日帰りコースの必要要件のようです。
 
でもこのコースは縦走のが断然オススメですね。日帰りだとほんの一部しか美味しい所に有り付けないので、逆に勿体無い気がします。
  
今回は天人峡からでしたが、今度は旭岳からもう一度登ってみたいです。
  
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